5月21日(土)11時40分放送
世界的に増え続けている海洋ごみ。
このままでは、いずれ魚の量を上回ってしまう可能性があります。
海洋ごみの約8割は、街から出たごみが、川などを伝って、海に流れ着いたものです。
その中のプラスチックごみだけでも、世界中で毎年800万トンもの量が流れ出ていると言われています。
海と日本プロジェクトを進める日本財団では、
2019年より東京大学と共同で、「海洋プラスチックごみ対策」の科学的な研究に取り組んでいます。
4月、その成果を発表する記者会見が東京で開かれました。
研究は、特にデータが不足している、
大きさが1ミリ以下のマイクロプラスチックごみの動きや生物への影響など、
3つのテーマが柱になっています。
これまでの成果として「海底に小さなプラスチック粒子がたまっている」ことや、
「プラスチックの大きさや種類によって、違った動き方をする」こと。
貝を使った実験では「小さなプラスチック粒子ほど、体内に長くとどまる」こと。
「小さなプラスチックごみは人間の体内に取り込まれ影響を及ぼす」ことなどが分かりました。
これらを受けて、より環境への負荷が小さいプラスチック類の利用をしていく必要があることや、
体内に入った小さなプラスチックは、
「排泄物などと一緒に体の外に出る」と簡単に考えてはいけないことなどが発表されました。
今後も、これまでの研究を強化した海洋プラスチックごみ対策についての取り組みが進められていきます。