6月29日(土)11時40分放送
「マアジ」は鳥取県の四季の県魚に指定されていて、
鳥取の夏を代表する海の幸です。
ただ、2015年以降、10年近くにわたって不漁が続いています。
鳥取県水産試験場によると、原因として考えられるのは、
日本海で生まれたマアジが成長し漁獲されるようになったときの量「加入量」が減っていること。
さらに近年、マイワシの水揚げ量が増加していることから、
「魚種交替」という自然現象の兆候が見られていること、などが考えられるそうです。
しかし原因をはっきりと特定することは難しく、
その他にも要因がある可能性があるそうです。
鳥取県水産試験場の野澤草太さんによると、
「水揚げ量の上限を守り、資源管理をすること」が、
対策としてできる取り組みだそうです。
この不漁は県内の企業にも影響を及ぼしています。
マアジを使ったアジフライを製造する境港(さかいみなと)市の角屋食品は、
「原材料費の高騰」や「安定的な製造ができない」などの問題に直面していました。
そこで、一匹ずつ手作業で作る高級アジフライブランド「鯵王」をつくり、
付加価値をつけることで対応しています。
これにより、新たな顧客が増えるといった効果もあったそうです。
この会社の代表は、
海の恵である資源を大切にしながら、
産業との両立を維持していきたいと語っています。
いつも目にする海は、いつでも同じようにあると考えがちですが、
実は海の環境も常に変化しています。
たかがマアジの不漁と軽く捉えず、
対策をみんなが真面目に考える必要があるのかもしれません。