10月4日(土)11時40分放送
鳥取県民のソウルフード「あごちくわ」。
原材料は「あご」と呼ばれるトビウオで、
鳥取県の夏の県魚にも指定されているおなじみの魚です。
しかし、全国的に不漁となっています。
鳥取県では、5月から7月にかけて行われるトビウオ漁。
漁獲量は年々減っていて、
ピーク時は約192トンでしたが、
今年度は7月末の速報値で6分の1の約32トンと大幅に減少しました。
ちくわの製造・販売を行う鳥取市の「ちむら」。
「あごちくわ」は主力商品の一つですが、
トビウオ不漁により原材料の確保が難しくなるなど、影響が出ています。
ちむら代表・千村大輔さんは、
「スーパーさんではお盆明けの8月中には販売を休止。
今の在庫で行くと今月(9月)くらいで販売をお休みせざるをえない、そんな状況になっている」と話します。
例年であれば漁期を過ぎても、
冷凍のトビウオを使い年間を通して製造していましたが、その確保も難しくなっています。
トビウオ不漁の直接の原因は、まだはっきりと分かっていません。
ただ、鳥取県内で漁獲量が大幅に減少した背景には、
漁業者が減少したことも大きく影響しています。
鳥取県内のトビウオ漁は、「アゴまき」と呼ばれています。
その漁には人手がかかり、また体力的にもきついため、
漁をする船が少なくなってきているのです。
私たちの食卓に当たり前のように並んでいた海の伝統食。
しかし、環境や時代の変化とともに、
当たり前が当たり前でなくなっています。
海の異変について、みんなで考えることが必要なのかもしれません。