鳥取県は東西約130キロに海岸が広がっており、その6割が砂浜です。
全国に誇れる美しい自然ですが、「海岸侵食」という問題を長らく抱えています。
「海岸侵食」とは、
砂浜が、波や風の影響によって削られる現象のこと。
本来は自然の営みで、おかしなことではありません。
そもそも、砂浜の砂の多くは、雨や風で崩れた山の岩が、
川に流され小さくなりながら、海に流れてきたもの。
日本を代表する海岸砂丘「鳥取砂丘」を例に見てみると、
鳥取砂丘の砂は、市内を流れる千代川(せんだいがわ)によって運ばれています。
しかし、この砂の「供給」と「需要」のバランスが崩れてしまっているのです。
バランスが崩れた原因はいくつかありますが、
その中には私たち、人の活動がもたらしたものもあります。
自然災害を防ぐために、
荒れていた山林や河川を整備したことで、
上流からの砂の「供給」が減ってしまったことが原因の1つとなっているのです。
これに対して鳥取県では、平成17年に土砂管理のガイドラインをつくり、
海岸を管理する国や県、市町村などが連携して対策を実施。
その一つが「サンドリサイクル」です。
砂が多く溜まった場所から、
侵食された場所へ砂を戻すため土砂を運んでいます。
「白砂青松」
美しい海岸の景色をあらわしたこの言葉。
次の世代に、きれいな海岸を残していくため、
鳥取の海を守る取り組みが、今日も行われています。
サンドリサイクルによって、「海岸浸食」をあるべき形に保つことが重要です。また、河口部に溜まった砂を取り除くことで、洪水による被害を防止したり、砂浜が回復することで、沿岸部の波浪被害を抑える効果も期待されています。
イベント名 | 海岸浸食の現状 |